新幹線の弁当箱
駅で売ってるお弁当箱で、新幹線の形をしてる物を見たことありますか?
色々な種類が出ていますが、一部のお弁当箱はMONOCOQでデザインしています。
まずは写真や模型や実車から形状を確認し、お弁当箱に適した形状になるようにデフォルメしてスケッチ&3Dデータ化。その後はクライアントと「3Dプリンターで試作 ⇄ 3Dデータ微調整」を繰り返して外観形状をFIXします。
そこから金型製作、と順調にはいかず、今度は組立て工場さん、樹脂成形工場さん、金型屋さんと協業して、低コストかつ正しく射出成形ができるように、細部の形状を詰めていきます。パーツ構成(何パーツで作るか)、肉厚、パーティング、抜き勾配、ゲート位置、エッヂのR、組立て方法などを考慮しながら各パーツの形状を3DデータでFIX。最後に樹脂の色、表面の艶シボ、塗装、印刷なども検討して、様々な情報を図面に盛り込みます。
関係各社の間で図面と3Dデータが承認されたら、ようやく金型の製作に進みます。金型から成形した各パーツのテストショットが上がってきたら、形状や嵌合に問題がないことを確認し、塗装や印刷を施して量産試作品の完成。その頃にはパッケージ試作もできてくるので、販売品と同等の状態になります。これがクライアントの承認を得られれば、ようやく量産化に進みます。
ここまでがMONOCOQの仕事となりますが、担当した仕事は
・デザイン
・3Dデータ作成
・2D図面作成
・金型(キャビ・コア)用3Dデータ作成
・プレゼン資料用イラスト & 3D-CG作成
・シルク印刷用イラストレーターデータ作成
となります。
製造メーカー様、販売メーカー様のご苦労には及びませんが、中々ボリュームに恵まれたお仕事でした。この後も幾つか「新幹線型弁当箱」の仕事をいただき、東京駅他で販売されています。
たまに子どもたちがこれらのお弁当を持って駅構内を歩いている姿を見ると、懐かしさ(この仕事からもう10年近く経ちます)と充実感が込み上げます。が、ウチの子どもたちに「これ、パパがデザインしたんだよ(ドヤ)」と言っても「ふーん」とクールな回答・・・。まあ、いいんですけどね。